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このサイトは、田辺明生(東京大学大学院総合文化研究科)の仕事を紹介するものです。



 私の専門は人類学/南アジア地域研究で、主にインドの歴史、文化、社会、政治、経済について研究をしてきました。ただし研究上の興味としては南アジアにとどまるわけではなく、広く世界の歴史と文化に関心を抱いています。昨今ではとくに、人類史の全体をどのようにとらえるか、その多様性と普遍性に興味をもっています。

 これまでの具体的な研究としては、インド・オリッサ地方の歴史人類学的調査を行い、共時的研究と通時的研究を接合させようとしました。18世紀の地域社会の姿が描かれた貝葉文書を在地で発見し、前植民地期の在地レベルの社会システムおよび王権との関係を実証的に明らかにした仕事は、苦労が多かったですがやりがいがありました。さらに植民地期および独立期の在地文書および政府資料を利用し、フィールドワークによる民族誌的研究の成果と合わせることによって、地域社会の過去300年にわたる社会変容を全体的かつ緻密に描くことを試みました。また現在のインド社会動態、特に民主主義の深化と経済発展に伴うカースト間関係の変容について、歴史的・政治的・宗教的・社会的観点から分析しました。これらの集大成として、2010年に『カーストと平等性−インド社会の歴史人類学』を東大出版会より出版しました。

 共同研究では、2007年から2009年にかけてはグローバルCOE「生存基盤持続型の発展を目指す地域研究拠点 」において、イニシアティブ4「地域の知的潜在力研究」のリーダーを担いました。その成果として、『地球圏・生命圏・人間圏―持続型生存基盤とは何か』(京都大学学術出版会、2010年)および『歴史のなかの熱帯生存圏―温帯パラダイムを超えて』(京都大学学術出版会、2012年)を共編者のひとりとして出版しました。

 また2010年から2015年までは、人間文化研究機構「現代インド地域研究事業」の総括責任者を担い、2015年春には東大出版会より〈シリーズ現代インド〉全6巻を刊行しました。さらに、ロンドンの Routledge社から、シリーズ・エディターのひとりとしてNew Horizons in South Asian Studiesを創刊し、その第1巻となるDemocratic Transformation and the Vernacular Public Arena in India (2014)および第4巻となるHuman and International Security in India (2015)を共編者として出版しました。

 その他、ヨーガ、心身変容技法、霊性と宗教、ジェンダー、民主主義と社会発展、南アジア型発展径路、人種とエスニシティ、グローバルな思想連鎖、環境と文明、物質と精神、などにも興味を持っています。